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屋根塗装に必要な縁切りって何?縁切りの必要性や工法をご紹介します!

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縁切りで防ぐ屋根の雨漏り!塗装時の費用と注意点

2023/08/27

屋根塗装、そして「縁切り」。
聞き慣れない言葉ですが、実はスレート瓦屋根の寿命を大きく左右する重要な作業です。
雨漏りの原因にもなりかねないこの縁切り、一体何なのか、なぜ必要なのか、そしてどのような方法があるのか。
今回は、屋根塗装における縁切りの重要性、方法、費用、そしてトラブル事例まで、分かりやすく解説します。
これから屋根塗装を検討されている方は、ぜひ最後まで読んで、賢い選択にお役立てください。

 

屋根塗装 縁切りの重要性とは

 

雨漏りの原因となるメカニズム

 

スレート瓦屋根は、一枚一枚の瓦が重なり合うことで雨水を効率的に排水する仕組みになっています。
この重なり部分は「働き幅」と呼ばれ、適切な重なりを保つことで防水性を確保しています。
重なり部分は通常5〜7センチメートルほどで、この寸法は長年の経験から導き出された最適な値とされています。

 

瓦と瓦の間にわずかな隙間があり、そこから雨水が流れ落ちるよう設計されています。
この隙間は「水切り」とも呼ばれ、雨水を効率的に排水する重要な役割を担っています。
また、この隙間は通気性も確保しており、屋根裏の温度や湿度の調整にも貢献しています。

 

しかし、屋根塗装の際にローラーなどで塗料を塗布すると、この隙間が塗料で塞がってしまうことがあります。
特に、塗料の粘度が高い場合や、塗布量が多すぎる場合に発生しやすい問題です。
また、塗装時の気温や湿度によっても、塗料の流動性が変化し、隙間への浸入度合いが変わってきます。

 

すると、雨水がスムーズに流れなくなります。
雨水は重力に従って下向きに流れようとしますが、塗料で塞がれた部分に遭遇すると、その流れが妨げられ、水たまりができやすくなります。

 

さらに、毛細管現象によって、塗料の隙間から水が浸入し、屋根内部に浸透し、下地を腐らせ、雨漏りの原因となります。
毛細管現象は、液体が細い管や隙間を自然に上昇していく現象で、この作用により、雨水は重力に逆らって上向きに移動することができます。
特に塗料で完全に塞がれていない微細な隙間があると、この現象が顕著に現れます。

 

縁切りをしないとどうなるのか?

 

縁切りをせずに、瓦の重ね目を塗料で塞いだままにしておくと、様々な問題が発生する可能性があります。
これらの問題は、時間の経過とともに徐々に深刻化していく傾向があります。

 

まず、最も深刻なのは雨漏りです。
雨漏りは、屋根材だけでなく、天井や壁、床など、建物の様々な部分に被害を及ぼす可能性があります。
特に木造建築の場合、雨漏りによる被害は構造材にまで及ぶ可能性があり、建物の安全性にも関わる重大な問題となることがあります。

 

また、湿気がこもることで、カビや藻の発生、腐食などが進み、建物の寿命を縮める原因にもなります。
屋根裏空間の湿度が上昇すると、木材の含水率が上昇し、腐朽菌の活動が活発になります。
これにより、建物の耐久性が著しく低下する可能性があります。
さらに、断熱材が湿気を含むことで断熱性能が低下し、エネルギー効率の低下にもつながります。

 

さらに、見た目にも悪影響を与え、建物の価値を下げてしまう可能性もあります。
雨漏りによるシミや変色は、建物の美観を損なうだけでなく、不動産としての評価にも大きく影響します。
特に売却や賃貸を考える場合、これらの問題は深刻な障害となる可能性があります。

 

加えて、屋根裏の温度管理にも影響を及ぼします。
適切な通気が確保されていないと、夏場は屋根裏温度が異常に上昇し、冬場は結露が発生しやすくなります。
これにより、冷暖房効率が低下し、光熱費の増加にもつながります。

 

縁切りが必要な屋根と不要な屋根の見分け方

 

縁切りが必要かどうかは、屋根の種類や状態、塗装回数によって異なります。
正確な判断には、専門的な知識と経験が必要です。

 

一般的に、スレート瓦屋根で2回目以降の塗装を行う場合は、縁切りが必要となることが多いです。
これは、既存の塗装層の上に新しい塗装を重ねることで、重ね目の隙間が更に塞がりやすくなるためです。
特に、過去の塗装で縁切りが適切に行われていない場合は、より慎重な対応が必要です。

 

一方で、新築時の塗装や、急勾配の屋根、経年劣化で瓦の先端が反っている屋根などでは、縁切りが不要な場合もあります。
新築時は瓦の形状が適切に保たれており、また急勾配の屋根では雨水の流れが速いため、比較的リスクが低くなります。

 

ただし、屋根の状態は一軒一軒異なりますので、専門業者による点検が不可欠です。
点検では、既存の塗装状態、瓦の重なり具合、排水状況などを総合的に判断します。
また、過去の補修歴や、地域の気候条件なども考慮に入れる必要があります。

 

 

屋根塗装 縁切りの方法

 

従来の縁切り方法

 

従来の縁切り方法は、塗装が完全に乾燥した後に、カッターやヘラなどの工具を使って、塗膜を丁寧に切り取る方法です。
この作業は非常に繊細で、熟練の技術を要します。

 

熟練の職人の技が必要とされ、時間と手間がかかるため、費用も高くなる傾向があります。
一枚一枚の瓦に対して丁寧な作業が必要で、大きな屋根面積の場合、かなりの時間を要します。
また、気温や天候に左右されやすく、作業可能な時間帯も限られてきます。

 

また、作業中に屋根材を傷つけるリスクも伴います。
特に、古い屋根材や劣化の進んだ材料に対しては、より慎重な作業が必要となります。
傷つけてしまうと、かえって雨漏りのリスクが高まる可能性があります。

 

タスペーサー工法

 

タスペーサー工法は、塗装前にスレート瓦の重ね目にタスペーサーという小さな部材を差し込んで隙間を確保する方法です。
この工法は比較的新しい技術で、作業効率と安全性を両立させた画期的な方法として注目されています。

 

塗装後、塗膜を切り取る必要がないため、屋根材を傷つけるリスクが少なく、作業時間も短縮できます。
タスペーサーは専用の工具で簡単に設置でき、作業者の負担も軽減されます。
また、均一な隙間を確保できるため、仕上がりのばらつきも少なくなります。

 

費用も従来の方法に比べて比較的安価です。
作業時間の短縮と、熟練度への依存が低いことが、コスト削減につながっています。
また、天候に左右されにくく、作業計画が立てやすいという利点もあります。

 

それぞれのメリットデメリット

 

従来の方法のメリットは、確実な隙間確保です。
職人の目と技術で、それぞれの瓦の状態に応じた最適な縁切りが可能です。
また、見た目にも影響が少なく、美観を重視する場合に適しています。

 

一方、デメリットは、手間と費用がかかり、屋根材を傷つける可能性があることです。
作業時間が長くなることで、天候の影響を受けやすく、工期が延びるリスクもあります。
また、職人の技量によって仕上がりに差が出やすい点も課題です。

 

タスペーサー工法のメリットは、作業効率が良いこと、費用が比較的安価なこと、屋根材を傷つけるリスクが少ないことです。
また、誰が作業しても一定の品質を確保しやすく、工期も予測しやすいという利点があります。

 

デメリットは、タスペーサーが目立つ可能性や、全ての屋根に適しているわけではない点です。
特に、古い屋根や特殊な形状の屋根では、タスペーサーの設置が難しい場合があります。
また、タスペーサー自体の耐久性や、長期的な性能についての検証データが比較的少ない点も考慮が必要です。

 

 

屋根塗装 縁切りにかかる費用

 

従来方法の費用相場

 

従来の縁切り方法の費用は、屋根の面積や職人の技術、地域差などによって大きく変動します。
また、屋根の形状や傾斜角度、アクセスのしやすさなども価格に影響を与える要因となります。

 

30坪程度の住宅の場合、5万円から7万円程度が相場といわれています。
ただし、これは標準的な形状の屋根を想定した場合の金額です。
複雑な形状や、特殊な条件がある場合は、これ以上の費用がかかることもあります。

 

また、既存の塗装状態や、屋根材の劣化状況によっても、作業時間や必要な技術レベルが変わってくるため、費用が変動する可能性があります。
特に、古い塗装の除去が必要な場合は、追加の費用が発生することがあります。

 

タスペーサー工法の費用相場

 

タスペーサー工法の費用は、従来の方法に比べて安価です。
これは、作業時間の短縮と、必要とされる技術レベルの違いによるものです。
また、天候に左右されにくいため、工期の遅延リスクも低く、結果としてコストの安定化につながっています。

 

30坪程度の住宅の場合、2万円から5万円程度が相場です。
この価格帯には、タスペーサーの材料費と施工費が含まれています。
地域や業者によって若干の価格差はありますが、従来工法と比べると比較的安定した価格設定となっています。

 

タスペーサーの個数や種類によっても費用は変動します。
一般的な住宅屋根では、約200〜300個程度のタスペーサーが必要となりますが、屋根の形状や、重ね目の状態によって必要数は変わってきます。
また、使用するタスペーサーの種類(標準タイプ、耐候性強化タイプなど)によっても価格は変動します。

 

費用を抑えるためのポイント

 

費用を抑えるためには、業者との相談を通して、最適な方法を選択することが重要なポイントとなります。
工法や材料、価格を比較検討することが推奨されます。

 

塗装時期や、使用する塗料の種類なども費用に影響します。
例えば、オフシーズン(秋〜冬)に工事を行うことで、繁忙期と比べて安価になることもあります。
また、高耐久な塗料を使用することで、次回の塗り替え時期を遅らせることができ、長期的なコスト削減につながる可能性があります。

 

さらに、定期的なメンテナンスを行うことで、大規模な修繕を防ぎ、結果として費用を抑えることができます。
日常的な点検や、早期の補修対応が、将来的な費用削減につながります。

 

屋根塗装 縁切りに関するトラブルと対策

 

縁切りがされていない場合のトラブル例

 

縁切りが行われていないと、雨漏りや、屋根材の腐食、カビや藻の発生など、様々なトラブルが発生する可能性があります。
これらの問題は、見た目の劣化だけでなく、建物の構造的な問題にまで発展する可能性があります。

 

具体的なトラブル事例として、以下のようなケースが報告されています

 

・屋根裏での水染みや結露の発生
・天井のシミや変色
・壁紙の剥がれや膨らみ
・木材の腐食による構造的な劣化
・電気配線の損傷
・断熱材の性能低下

 

これらのトラブルは、気づいた時には深刻な状態になっていることも多く、多額の修繕費用が必要となるケースもあります。
特に、雨漏りによる被害は、発見が遅れるほど修繕範囲が広がり、費用も増大する傾向があります。

 

また、カビの発生は居住者の健康にも影響を及ぼす可能性があり、アレルギー症状や呼吸器系の問題を引き起こす原因となることもあります。
そのため、早期発見と適切な対応が非常に重要です。

 

トラブルを避けるための契約時の注意点

 

契約をする際には、見積書や工程表に「縁切り」または「タスペーサー工法」が明記されていることを確認しましょう。
具体的な作業内容、使用する材料、施工方法などが詳細に記載されているかどうかも重要なチェックポイントです。

 

口頭での約束だけでは不十分です。

後々のトラブルを避けるため、以下の点を必ず書面で確認しましょう

 

・縁切りの具体的な施工方法
・使用する材料の種類と数量
・作業の保証内容と期間
・アフターケアの内容
・工事金額の内訳
・支払い条件

 

また、工事完了後の報告書に、縁切り作業またはタスペーサー施工の写真が添付されているかどうかも確認しましょう。
できれば工事の各段階で写真を撮影してもらい、作業の進捗状況を記録として残すことをお勧めします。

 

さらに、施工後の点検スケジュールについても、あらかじめ確認しておくことが望ましいです。
定期的な点検により、問題の早期発見と対応が可能となり、大きなトラブルを防ぐことができます。


まとめ

 

今回は、スレート瓦屋根の塗装における縁切りの重要性について解説しました。
縁切りは、雨漏りを防ぎ、屋根の寿命を延ばすために非常に重要な作業です。
従来の方法とタスペーサー工法のメリット・デメリットを理解し、自分の屋根の状態に合った方法を選択することが大切です。
縁切りに関する疑問や不安は、専門業者に相談することで解消できます。
適切な判断と行動で、大切な住まいを守りましょう。
屋根塗装は高額な工事です。
後悔しないためにも、今回得た知識を活かして、賢く業者を選び、安心して工事を進めてください。

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